視聴者本気でブチ切れ…名演技がハマり過ぎて大炎上の”悪役”俳優 (2)女に嫌われ男は夢中に…伝説の寝取り女
ドラマや映画を見ていると「悪役」がハマりすぎて、嫌な気持ちになることがある。演じた俳優にとっては、たまったものではないが、見方を変えれば、演技に説得力があったということの証でもある。今回は「悪役」を見事に演じたことで視聴者からブーイングをくらった役者をセレクト。それぞれの演技の魅力に迫る。第2回。(文・shuya)
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裕木奈江『ポケベルが鳴らなくて』(1993)
1988年に映画デビューを果たした女優・裕木奈江。ドラマ『北の国から』で吉岡秀隆演じる純と恋仲になる女性・タマ子役で記憶している人も多いだろう。2005年に渡米し、2017年には、鬼才デヴィッド・リンチ監督『ツイン・ピークス The Return』に出演するなど、世界を股にかけて活動をしている。
『北の国から』でピュアな役を好演し、一躍脚光を浴びた裕木だったが、あるドラマの出演がきっかけで悪役として注目を集める。そのドラマこそ『ポケベルが鳴らなくて』(1993、日本テレビ系)である。
当時50代中盤だった緒形拳演じる妻子持ちのサラリーマンが、二回り以上年下の女性との泥沼不倫に溺れていく過程を描いた本作で、主人公の不倫相手・保坂育未を演じたのが、他ならぬ裕木である。
一見清楚な出で立ちだが、 媚態に富んだ立ち振る舞いで主人公の気を引く、裕木の吸引力は凄まじかった。しかし、裕木が魅力的に映れば映るほど、緒形拳演じるサラリーマンは彼女にのめり込み、彼の家庭はひっちゃかめっちゃかになっていく…。
このドラマが影響し、裕木は視聴者から「男に媚びているような目と半開きの口」「いかにも人の彼氏を寝取りそうな女」などと激しいバッシングにさらされる。挙句の果てには「元祖女に嫌われる女」といった不名誉な称号が与えられた。しかし、視聴者による辛辣な評言は、裏を返すと、裕木が「嫌われ役」を見事に演じたことの証でもある。
日本の民放ドラマへの出演は2018年放送の『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)が最後となっている裕木。『ポケベルが鳴らなくて』放送当時の緒形拳とほぼ同じ年齢に達した現在の裕木の演技を見てみたいと思っている視聴者は少なくないはずだ。
(文・shuya)
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