安達祐実の温度差がヤバい…地獄みたいな状況なのに笑える理由とは? ドラマ『3000万』第6話考察レビュー
text by 苫とり子
NHKが新しい制作手法を取り入れ誕生した土曜ドラマ『3000万』。本作は、NHKが新たに立ち上げた脚本開発に特化したチーム“WDRプロジェクト”によって制作され、主演は安達祐実、共演を青木崇高が務める。今回は、第6話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
本当の地獄はここから…。
闇組織を束ねていた大津(栗原英雄)が逮捕され、ようやく平穏な日常を取り戻したと思っていた祐子(安達祐実)と義光(青木崇高)。しかし、命からがら組織から逃げてきたソラ(森田想)を再び家で匿うことに。
祐子たちの地獄は全然、終わっていなかった。なんなら大津はただの運び屋で、闇組織のボスは他にいるというのだから、本当の地獄はここからと言っても過言ではない。そんな中、刑事を定年退職した奥島(野添義弘)の誕生日会が佐々木家で開かれる。
物語も残すところ、あと3話となったが、この第6話では最初から最後まで誕生日会の模様だけが映し出される。時折、坂本(木原勝利)と長田(萩原護)の動きも見られるが、ほぼワンシチュエーション。にもかかわらず、ここまで物語が大きく動き出すとは思わなかった。
奥島はただ誕生日を祝ってもらうためだけに佐々木家を訪ねたわけではない。大津の逮捕に繋がった1本のタレコミ電話。自身のプライベートの電話番号をほぼ唯一知っている義光に、奥島は疑いの目を向け始めたのだ。