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どんな最期を迎えるのか少し怖い…日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』 今後のカギを握る登場人物とは? 前半の見どころを解説

text by 田中稲

日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)が放送中。高度成長期、石炭産業で躍進した長崎県・端島と2018年の東京、2つの軸を行き来する壮大な愛の物語だ。今回は、当時の端島で働く人々の暮らしが生き生きと描かれた本作の物語を多角的な視点で振り返るレビューをお届け。(文・田中稲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:田中稲】

ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。

世界最大の人口密度、話が筒抜けの軍艦島

『海に眠るダイヤモンド』第1話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』第1話 ©TBSスパークル/TBS

「人生変えたくないか?」――。

 2018年と高度成長期(1955~)を行ったり来たりしながら、私たちにそう問いかけてくるドラマ『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)。

 銀行(『半沢直樹』)、町工場(『下町ロケット』)、ゲーム開発者(『アトムの童』)などなど、フィクションを織り込みつつも、日本の発展を支えている、もしくは支えてきた人たちを熱く描く近年の日曜劇場。

 今回、挑戦するのは炭鉱である。主演の神木隆之介をはじめ、斎藤工、杉咲花、土屋太鳳、池田エライザ、清水尋也、宮本信子といった個性溢れる面々によって描かれる「迷い」に胸が熱くなる。

 高度成長期パートの舞台となっているのは、長崎県長崎市端島。外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれ、今ではそちらの名でよく知られている。長崎港から船で約40分移動した場所にあるが、今では立ち入り禁止だ。

「島」と言っても、炭鉱開発のために埋めたてられた人工島で、面積も、約6.3ha(東京ドームの1.4倍)と、とても小さい。

 ドラマのセリフで何度も出てきた「狭い島だから筒抜け」。広さは小さいのに、炭鉱夫の需要が増え、さらに戦争から労働者が帰還するなどして、どんどん人口が増えていく。

 第3話の時点で「4940人」とナレーションされていたが、最盛期の1960年代には、約5,300人も暮らしていたというから、まさに密集(当時の東京の約9倍、世界最大の人口密度!)。

 第1話でリナ(池田エライザ)が、体を触ってきたスケベオヤジ、鉄鋼会社社長の三島(坪倉由幸)を殴ったことも、朝子(杉咲花)が映画の主演女優に応募したことも、ぜーんぶ筒抜けなのは納得だ。内緒にしたいことも、次の日には島中にいきわたるとは…なんともつらい(泣)。

 そのため、ここに住む人たちは、大切なことを言葉にしない。言うとしても遠回しだ。心の中がわかりやすく表に出る朝子の恋心を語り合う、鋭い女子チーム、リナと百合子の女子トークは本当に楽しそうだ。

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