奇跡の神回…菜々緒”鷹野”の主人公としての強さを再認識したワケ。ドラマ『無能の鷹』第6話考察レビュー
text by まっつ
菜々緒主演のドラマ『無能の鷹』(テレビ朝日系)が放送中。はんざき朝未の大人気コミックスを原作とした本作は、超有能そうに見える主人公・鷹野ツメ子が実は実は全く仕事ができないという、超脱力系お仕事コメディ。今回は、第6話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
リモートの良いところ、悪いところの詰め合わせ
リモートワークは効率的だ。
パソコンさえあればどこでもいつでも仕事ができるし、満員電車に乗る必要もない。パジャマのまま真剣な顔で会議に出席できるし、起きた瞬間から仕事に向き合うことができる。
コロナ禍以前にもリモートワークはあったが、「コロナの影響は僕たちの当たり前の生活を大きく変えてしまった」という『無能の鷹』第6話で出た意見にも同意できる。
就活生の会社訪問の担当になった鷹野(菜々緒)と鶸田(塩野瑛久)。もう1名の担当者となった開発部の燕谷(今井隆文)はアドレスホッパーでなかなか会社には訪れない。
オフィスに行く意味なんてない、行っても仕事以外の人間関係が煩わしいだけ、無駄なものを省いたおかげで効率的に仕事ができているという意見には個人的には深く頷いてしまう。
一方で、リモートそのものが苦手な人もいる。衆人環視の状況でなければやる気が出ない人や、オンライン会議で相手の反応が見えないとやりづらい鶸田にしたってそうだ。反対側の意見を否定することはできないし、確かに一理あるとも思う。
直接顔を合わせるからこそ生まれるコミュニケーションもあるし、リモートでは決して伝わらない微妙なニュアンスもある。つまりどちらも選択できる現代では併せてうまく使っていくことが必要なのだが、『無能の鷹』はそんなありきたりな結末を出して視聴者を説得したいわけではない。