井浦新が”第二の鷹野”に…絶望するキャストとは裏腹に、視聴者のテンション爆上がりのワケ。『無能の鷹』第7話考察レビュー
text by まっつ
菜々緒主演のドラマ『無能の鷹』(テレビ朝日系)が放送中。はんざき朝未の大人気コミックスを原作とした本作は、超有能そうに見える主人公・鷹野ツメ子が実は実は全く仕事ができないという、超脱力系お仕事コメディ。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
鳩山(井浦新)が第二の鷹野に…。
あなたは人に「普通」と言われた時にどう思うだろうか。
世の中に無事に溶け込めているという安堵感、もしくは「特別」ではないと突きつけられる客観的意見に落胆の色を示すだろうか。おそらく、それは言われた時の状況や言われる相手にも大きく左右されるはずだ。
『無能の鷹』(テレビ朝日系)で鳩山(井浦新)は同僚たちから自身のモーニングルーティンを完璧に言い当てられてしまう。通常であれば何も恥じることではないし、むしろ皆が憧れる理想の動き方を鳩山がしている、ということだ。
しかし、妻が不倫をしているのではと考えている鳩山は、自分が普通すぎてつまらないから妻を不倫に導いたと結論付け、新たな動きを見せていく。
しかし、ルーティンを持つような人間が普通から逸脱するのは簡単ではない。そこで頼ったのがAIアプリ。ランダムな行動プランを提示してもらった結果、鷹野(菜々緒)を伴った鳩山はギャルカフェから熱波サウナ、編み物カフェ、特撮映画のエキストラまで挑戦していく。
会社の良心だった鳩山の姿は影を潜め、「何もかもがどうでも良くなってしまった」“第二の鷹野”だけが残された。