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思わず目を覆いたくなった…窪田正孝”藤竹”から余裕が失われたワケ。NHKドラマ『宙わたる教室』第8話考察レビュー

窪田正孝主演のNHKドラマ『宙わたる教室』が放送中。実話に着想を得て生まれた小説を実写化した本作は、さまざまな事情を抱えた生徒たちが集まる定時制高校に、謎めいた理科教師の藤竹が赴任してくる。今回は、第8話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

夢を見られるというのは、自分の人生に期待が持てるということ

『宙わたる教室』 第8話 ©NHK
『宙わたる教室』 第8話 ©NHK

 サブタイトルにある「メテオライト」とは、「地球に飛来した隕石の総称」らしい。飛来、つまりは落ちてきた隕石――。

 かつて東新宿定時制高校に通っていた孔太(仲野温)は、必要以上に岳人(小林虎之介)に執着する。自分たちが行っている薬の売買に岳人の力が必要だと言うが、それ以上に「同じ穴の狢だと気付かせたい」という意識が強いようだ。

 定時制を退学した孔太と、踏みとどまって新たな目標を見つけた岳人。もう違う道を歩んでいるんだから放っておけばいいのに、岳人に置いて行かれたような気がしているのだろう。お前はそんな人間じゃない、早くこっちへ戻って来い、一緒に落ちよう…孔太の怒りのこもった目には、そんな気持ちが浮かぶ。

 思い出されるのは、かつて藤竹(窪田正孝)が石神(高島礼子)に言った「自分の居場所は自分で決める」という言葉。岳人はこれを聞いていたわけではないが、ほとんど脅しと言ってもいいような孔太の態度にも決して揺るがない。

 それは、藤竹が学ぶことや仲間たちと一つの目標に向かっていくことの楽しさを教えてくれたこの場所こそ、自分の居場所だと思えるようになったから。

 岳人は実験に力を入れる一方で、自身が抱える文字の読みづらさを少しでも改善するためのスクールにも通い続けていた。そこで、ディスレクシアを持つ人たちも大学受験を受けられるように「配慮申請」というものがあることを知る。岳人にとっては、チャンスが一つ増えたような感覚だったことだろう。

 さらに、改良した実験装置を見た藤竹からも「大学の研究にも引けを取らない」と言われて目をキラキラさせていた。岳人のなかで、夢がどんどん膨らんでいくのが傍目にもわかる。夢を見られるというのは、自分の人生に期待が持てるということでもある。いまの岳人は、自分の人生にワクワクしているようだ。

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