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笑った後に心が温まる珠玉の名品

『正直不動産』(2022)

山下智久
山下智久【Getty Images】

原作:夏原武(原案)、水野光博(脚本)、大谷アキラ(作画)
脚本:根本ノンジ
出演者:山下智久、福原遥、市原隼人、泉里香、長谷川忍、倉科カナ、大地真央、草刈正雄 高橋克典など

【作品内容】

 口八丁で成績を上げてきた登坂不動産のNo.1営業マン・永瀬財地(山下智久)。ひょんなことから嘘がつけない体質になってしまった永瀬は、カスタマーファースト命の新人・月下咲良(福原遥)とともに正直過ぎる営業マンとして奮闘することとなる。

【注目ポイント】

『クロサギ』で知られる夏原武原案による同名コミックが原作。とある祟りにあって、嘘がつけない呪いにかかってしまった主人公の姿を通して不動産業界のリアルが描かれている。

 生活の三大要素の一つに挙げられる住居。だけど、不動産の取引に関する法律や専門用語は一般の人にとっては複雑難解でよくわからないまま契約してしまう人も多い。そのため、引っ越したはいいものの、不動産屋から聞いていた話と違う…なんてこともしばしば。

 その点、本作では賃貸契約や不動産売買にあたって検討すべき点やよくあるトラブル例がわかりやすく解説されていて勉強になる。これから家を探そうとしている人はぜひ予習として観ておきたい作品だ。

 同時に、本作はどうしても大人になると忘れてしまう正直でいることの大切さを思い出させてくれるドラマでもある。詐欺まがいの商法で成績を上げてきた永瀬だが、嘘がつけなくなったことで最初こそ客を怒らせていたものの、次第に正直な営業マンとして感謝されるようになっていく。

 お金を稼ぐのも大事だけど、人に感謝されるともっと嬉しい。そんな人としての本質に立ち返ることができる。

 現在放送中の朝ドラ『おむすび』の根本ノンジが脚本を手がけており、シリアスとコミカルのバランスも絶妙で、たくさん笑った後に心が温まる本作。かっこいいだけじゃなく、ちょっぴりダサくて、でも一生懸命なところが愛おしい“山P”もこの作品でしか見られない。

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