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ラブストーリーを生み出す舞台としての図書館

『海のはじまり』【番組公式Instagramより】
『海のはじまり』【番組公式Instagramより】

 思い返すと図書館で働いている人=真面目そうなイメージの役柄がある。『海のはじまり』(フジテレビ系)の津野晴明(池松壮亮)も本が好きなだけで、取り立てて趣味はないと言っていた。仕事と自宅の往復だけをしてくれるという、堅実な理想の夫像のような存在だ。

『素顔のままで』(フジテレビ系・1992年)の主人公・香坂優美子(安田成美)が勤務していたのも図書館。お嬢様で優等生で、悪いことなんてしたことはなかった。そしていくつもの出会いが彼女を変えるわけだが、スタートは真面目な図書館司書。これ以外にも多くの作品でも司書役=実直そうな雰囲気を醸し出していることが多い気がする。

 今後も図書館からはいくつもラブストーリーが生まれるのだろう。だけど現実的には難しいのかもしれない。いや、これから図書館へ行くときはもっと目を凝らしてみるべきかと、向かってみた。が、私の愛用する図書館は勉強に勤しむ学生と中高年、絵本と戯れる幼児がメインだった。これは図書館から変える必要がある。

(文・小林久乃)

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