原作ファンに衝撃を与えた禁断の実写化
『魁!!クロマティ高校』
監督:山口雄大
原作:野中英次
脚本:増本庄一郎
出演:須賀貴匡、虎牙光揮、山本浩司、渡辺裕之、高山善廣、板尾創路、金子昇、遠藤憲一
【作品内容】
高校1年生の神山高志は、中学時代に不良に絡まれたところを救ってくれた山本一郎のことを慕っており、彼と同じ学校に通いたいという理由でクロマティ高校に入学したのだった。だが、入ってみるとそこは都内でも最低レベルの学力を誇る底辺校だった…。
【注目ポイント】
誰しもが映像化不可能だと思っていた大人気ギャグ漫画が、山口雄大監督によりまさかの映画化。当時、実写化のニュースに原作ファンである筆者は戸惑ったものだが、キービジュアルを観ると、意外に違和感がなく、ポジティブな意味で衝撃を受けたのだった。
とにかくキャスティングが最高だった。優等生である主人公・神山高志に須賀貴匡、ロボット高校生であるメカ沢の声優に武田真治、謎のマスクを被った生徒・マスクド竹之内に板尾創路、竹之内豊拓にプロレスラーの高山善廣をコンバート。さらに、なぜか生徒の中にいる、ただのゴリラも、着ぐるみ状態でちゃんと登場させているのもニクい(中の人は不明)。
「なんじゃ、こりゃ(笑)!」と、その時点で抱腹絶倒。この映画をきっかけに原作ファンになった人も少なくないだろう。
本作は、今ではすっかりイケオジとなった須賀貴匡演じる神山高志が、仲間たちと崩壊しきった学校を変革しようと奮闘する物語…のはずが、なぜか地球防衛軍を結成することになるという、映画版オリジナルストーリーが描かれる。
さて、そんな原作の要素と映画オリジナル要素がいい具合に絡み合った完成度の高いコメディである本作。実は筆者にとって「続編が観たい漫画実写化映画」の筆頭でもある。
原作は基本、一話完結ものなので、それらから厳選して、ショートストーリーをまとめた1時間半くらいの映画にするのはいかがだろうか?
ちなみに原作漫画では、オチのコマの脇に「~~かよ!」といった、おそらく編集者によるツッコミが添えられているのも、名物であった。続編が実現した暁には、リリー・フランキーを贅沢に起用するなどして、ショートストーリーが終わるごとにツッコミを入れるモノローグが聞きたいものである。
(文・ZAKKY)
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