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大どんでん返しの復讐劇

『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2021)

キャリー・マリガン
キャリー・マリガン【Getty Images】

監督:エメラルド・フェネル
脚本:エメラルド・フェネル
出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン

【作品内容】

 かつて医学部の学生だったキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件をきっかけに大学を中退し、カフェで働いていた。そんな彼女は、夜になると泥酔したフリをして男性たちに制裁を与えるという誰も知らない一面を持っていた…。

【注目ポイント】

 本作は女優としても活躍するエメラルド・フェネルが監督と脚本を務めた長編デビュー作。圧倒的なビジュアルセンスと巧みな脚本で、第93回アカデミー賞では脚本賞を受賞した。一方、キャリー・マリガンはこの映画で大胆かつ繊細な演技を披露し、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞にノミネートされた。

 キャリー・マリガン演じるキャシーは、大学時代に起きたある事件をきっかけに、大学を中退。昼はカフェで働き、夜になるとバーで泥酔しているフリをして男性に隙を見せ、その後反撃を仕掛ける…という行動を繰り返す。その背景には、親友を失った過去が動機になっている。

 そんな彼女の前に、医大生時代の同級生だったライアンがカフェに客として現れ、2人は親しくなっていく。しかし、彼から親友の事件に大きく関わった人物が帰国することを聞いたキャシーは、ライアンとの恋に揺れつつも亡き友のために復讐を始める。

 映画は、キャシーが復讐に挑む過程を描きながらも、その背景にある痛みや悲しみ、そして社会の理不尽な問題を鋭く描写する。見どころは、キャシーの巧妙な仕掛けや計画が進行する中で、その意図がどんどん明らかになり、同時に予期しない展開が次々と起こることだ。

 クライマックスでは親友の事件に関わった人物・モンローに罠を仕掛けるのだが、キャシーが取る最後の一手によって衝撃の結末を迎える。

 彼女が標的にした男性たちが、自分の行動に対してどれだけ無自覚であるかに焦点を当て、彼女がその「無意識の暴力」に立ち向かう姿が物語が進むにつれて鮮明になる。観終わった後、深いテーマに気づかされ、心震えること間違いないだろう。

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