原作の設定ではむさ苦しすぎる…?
『カバチタレ!』(2001)
演出:武内英樹、水田成英
脚本:大森美香
出演者:常盤貴子、深津絵里、山下智久、篠原涼子、岡田浩暉、岡田義徳、田窪一世、香里奈、小林聡美、陣内孝則
【作品内容】
2000年12月。工務店社員の田村希美(常盤貴子)は、いわれのない無断欠勤を理由に、給料も未払いのままセクハラ社長にクビを切られた。たまたま病院でその話を聞いた栄田千春(深津絵里)は、「戦わなきゃダメ」と言って、何事かを書きつけた紙を社長宛に送るように言う。
数日後、希美の家に、未払いの給料と解雇予告金が入った封筒が送られる。千春が渡したのは、内容証明だったのだ。
「何者なの?あの女」ー。この出来事をきっかけに、2人の仲は急速に近づいていく。
【注目ポイント】
本作は、『極悪がんぼ』などで知られる田島隆(原作)と東風孝広(作画)の同名漫画を原作とした作品。脚本を大河ドラマ『青天を衝け』(2021、NHK総合)の大森美香が務める。
本作で性別が変わっているのは、主人公の田村と栄田だ。両者とも、原作では金融漫画らしくヤクザ然とした男性キャラクターで、ゴールデンタイムのドラマの主人公としては少しむさ苦しい。「女性の下剋上ドラマ」として描くことで、全体的にスタイリッシュになった印象だ。
なお、『極悪がんぼ』2014年にフジテレビ系でが実写化された際も、主人公が男性キャラクターが女性キャラクターに変更(主演は尾野真千子)。一方、2010年に『カバチタレ!』の続編となる『特上カバチ!! -カバチタレ! 2-』がTBS系列でドラマ化された際には、原作通り田村も栄田も男性となっている(田村役は櫻井翔、栄田役は高橋克実)。