天性の才能に裏打ちされた余裕と自信
伏黒恵(ふしぐろ めぐみ)
演じるなら、この人!
~水上恒司~
冷静で知的な雰囲気をまとっている伏黒恵は、不愛想な表情とそっけない態度が特徴で、ヒートアップした虎杖たちに熟考を促す、ブレーンのような役割を果たしている。しかし、実のところは誰よりも仲間思いであり、強い正義感の持ち主である。
伏黒は、呪術界御三家・禪院家の血を引いているため、潜在能力が高く、才能ある呪術師として将来を見込まれている。また、式神を使う“十種影法術”という術式を駆使する、作中でもユニークな戦闘スタイルで知られるキャラクターだ。
もし『呪術廻戦』が実写化されたら、伏黒を演じる役者は、天性の才能に裏打ちされた余裕と自信、知性を醸し出すことができなければいけない。演じるには緻密な計算が必要とされる。
そんな伏黒役には、水上恒司をコンバートしたい。
水上は、誠実さが伝わる丁寧な芝居とクールな眼差しが印象的な俳優だ。ドラマ『中学聖日記』(TBS系、2018)で俳優デビューを果たして以降、映画やドラマで八面六臂の活躍をみせている水上だが、2023年に公開され、興行収入40億を超える大ヒットを記録した映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、現時点での代表作と言っていいだろう。
事前の予想を覆し、スマッシュヒットを記録した本作は、福原遥演じる戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生・加納百合と、水上演じる特攻隊員の青年・彰が繰り広げる切ない恋の行方を描いた物語。同作で水上は、真っ直ぐな眼差し、整然とした身のこなしで戦時下に生きる青年を見事に演じ、観る者を魅了した。
伏黒を演じる上で最も重要なのは、「二面性」だ。普段は、冷静沈着な雰囲気をまとっているが、内面はマグマのように熱い。水上ならば、伏黒の「語らない強さ」を、観客に届けてくれるはずだ。
「式神」を使ったアクションシーンも、水上の強い眼差しによって見応えのあるものになるだろう。最新のCG技術を駆使して、ぜひ再現してもらいたい。