目で語る演技がピカイチ
夏油傑(げとう すぐる)
演じるなら、この人!
~松田翔太~
虎杖たちが通学している東京都立呪術高等専門学校(通称:高専)を追放された夏油傑。高専時代は「呪術は非術者を守るためにある」と志高く、同級生である五条悟と共に戦っていたが、任務に失敗し、仲間の死を経て、闇落ちしてしまう。「呪術廻戦」の作中、「最悪の呪詛師」と呼ばれる敵キャラだ。
夏油は、圧倒的な呪術の実力のもと、冷酷な策略家で、真の目的や感情が見えない、不可解なキャラクターだ。そんな劇中随一のヴィラン・夏油を松田翔太が演じれば、実写版『呪術廻戦』に気品が加わり、作品がグッと引き締まるのではないだろうか。
夏油の戦闘スタイルは、降伏した呪霊を取り込み、自在に操る“呪霊操術”という術式を駆使するといったもの。原作の前半パートでは激しいアクションシーンはないが、呪霊を操り、高みの見物をするところなど、ラスボスの風格十分であった。
松田は、漫画原作の映画の実績も十分だ。映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』(2019)では、美食家(グルメ)として一流の人間のみを食す月山習というキャラクターを演じていたが、窪田正孝演じる主人公・金木研をうっとりと見つめ、目で語る演技が素晴らしかった。
月山と夏油の人物は似ても似つかないが、どちらも目で語るキャラクターなのだ。いつも何を考えているかわからないが、たまに見せる夏油特有の冷酷な目を、松田であれば完璧に再現してくれるだろう。