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史上究極のギャング映画の1本

『グッドフェローズ』(1990年)

映画『グッドフェローズ』
映画グッドフェローズGetty Images

監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ニコラス・ピレッジ、マーティン・スコセッシ
出演者:レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ

【作品内容】

 本作は実在のマフィアであるヘンリー・ヒルの半生を題材としている。

 ヘンリーを演じたレイ・リオッタは本作の主演で広く知られることになった。

 ヘンリー達はマフィアの準構成員として使い走りから悪事に関わるようになり、あらゆる犯罪に手を染め、やがて空港での現金強奪事件を成功させる。が、警察から追われる身に。そして“グッドフェローズ”(気の置けない友達)であったはずの3人の仲間の間にも大きな亀裂が入りはじめる…。

【注目ポイント】

 1976年の『タクシードライバー』や1980年の『レイジング・ブル』といったロバート・デ・ニーロとの競作で名声を集め、近年でも2019年の『アイリッシュマン』や2023年の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』でアカデミー賞監督賞にノミネートされるなど、長きにわたり第一線で活躍し続けている巨匠マーティン・スコセッシの代表作の一つ。

 彼の友人=“グッドフェローズ”も実在の人物を基にしていて、兄貴分のジミーにロバート・デ・ニーロ、喧嘩っ早いトミーをジョー・ペシが演じた。とりわけジョー・ペシは、一度切れたら手が付けられない瞬間湯沸かし器のごとくキャラクターを迫真の芝居で演じ、アカデミー賞で見事最優秀助演男優賞を受賞している。

 原題の“Goodfellas”の単数形“Goodfella”は、直訳すると“気の置けない友達”という意味で、転じて、マフィア界の隠語では“自分と同じ組織に所属する者”という意味になる。

 本作の白眉は何と言ってもトミーを演じたジョー・ペシである。普通に会話をしていて楽しく笑っていたかと思うと突然狂暴化。一種のサイコパスとも言えるタイプだ。モデルとなった人物もそういうタイプの人間だったとのことだが、この映画では突発的な暴力が発動するシーンがやたら恐ろしい。

 彼を冷静に補助するロバート・デ・ニーロ演じるジミーの存在も効いている。現金強奪の主犯でもあり、彼は何事ドライに事を進める。キャラクターの個性が対照的に造形されているのだ。

 盤石であった3人の仲間の絆が徐々にほつれていく展開に胸を痛めつつ、ジョー・ペシのブチギレ演技にどこかスカッとさせられる。見どころの多いバイオレンス映画となっている。

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