森山未來がダメ男を好演
『モテキ』(2011)
監督:大根仁
脚本:大根仁
原作:久保ミツロウ
出演:森山未來、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、新井浩文、金子ノブアキ、リリー・フランキー
【注目ポイント】
久保ミツロウの同名コミックを原作に2010年に制作されたドラマ版は、大量のサブカルネタや、“モテ曲”と呼ばれる多ジャンルのヒット曲を積極的に採用したことで、“視聴率以上の反響”を呼び、テレビ東京の深夜ドラマの中でも特に注目を集めた作品となった。
主演の森山未來は、それまで映画『世界の中心で愛を叫ぶ』(2004)などで正統派な役柄を演じてきたが、本作では一転して下心のあるダメ男を見事に演じ、俳優としての幅を大きく広げた。
ドラマでは満島ひかりや野波麻帆、松本莉緒、菊地凛子が重要なポジションを担ったが映画では長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子がそのポジションを担った。
特に長澤まさみと森山未來の共演は『世界の中心で、愛を叫ぶ』(2004)以来となり、大きな注目を集めた。
映画版でもサブカルチャー要素は健在で、多くのアーティストやタレントが本人役でカメオ出演を果たし、細部に至るまで見どころ満載の作品となっている。
監督は本作が長編映画初監督となった大根仁。それまでも多くのドラマなどの演出を手掛けてきたが本作から長編映画を手掛けるようになり『バクマン。』(2015)、『SCOOP!』(2016)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)など話題作を手掛けている。
近年でもドラマと映画の間をボーダレスに活躍。2022年の『エルピス-希望、あるいは災い-』や劇中のセリフ「もうええでしょう」が新語・流行語大賞にノミネートされたNetflixの『地面師たち』も大根監督演出作品である。