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3人の詐欺師による大ヒットシリーズ

『コンフィデンスマンJP -ロマンス編-』

長澤まさみ
長澤まさみGetty Image

監督:田中亮
脚本:古沢良太
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世、織田梨沙、瀧川英次、Michael Keida、前田敦子、佐津川愛美、岡田義徳、桜井ユキ、生瀬勝久、山口紗弥加、小池徹平、佐藤隆太、吉瀬美智子、石黒賢、竹内結子、三浦春馬、江口洋介

【注目ポイント】

 本作は、ドラマ『東京ラブストーリー』(1991)や『ロングバケーション』(1996)、『HERO』(2001)など、数多くのヒット作を生み出してきたフジテレビの看板ドラマ枠“月9”から誕生したヒットタイトルだ。

 ダー子、ボクちゃん、リチャードという3人の信用詐欺師(=コンフィデンスマン)が巧妙な手口を駆使して巨額の金を騙し取る姿を描いた作品。

 ただし、彼らがターゲットにするのは、悪徳な方法で金を稼いだり、弱者を搾取するような悪辣な人物ばかり。そのため本作は、変則的な勧善懲悪の物語となっている。通称“オサカナ”と呼ばれるターゲットには毎回、豪華な俳優がキャスティング(江口洋介、かたせ梨乃、内村光良など)され、これも大きな話題となった。

 長澤まさみの弾けた演技は彼女のキャリアの中でも1つの転換点になったと言える。

 2018年に放映されたドラマシリーズは平均視聴率8.9%と、大成功とは言えない数字だったが、一風変わった勧善懲悪ものという独自のコンセプトが好評を博し、その結果、スペシャルドラマを経て映画化が実現したのだ。

 映画版でも豪華なゲスト陣が注目を集め、竹内結子、三浦春馬、北大路欣也、柴田恭兵といった名優たちが登場している。

 映画はこの『-ロマンス編-』が興行収入29.7億円のヒットを記録しシリーズ化。第2弾『-プリンセス編-』が興行収38.4億円、第3弾『-英雄編-』が28.9億円を記録し、3作品で約100億円の興行収入を挙げる大ヒットシリーズとなった。

 映画の成功を見ると、『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)や『探偵はBARにいる』(2011)などを手掛けた人気脚本家・古沢良太による、仕掛けが多く二転三転するストーリーは、むしろ映画という枠組みの方がその魅力を最大限に発揮できるのではないだろうか。

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