デンマークの巨匠が描く終末的精神世界
『メランコリア』(2011)
監督:ラース・フォン・トリアー
脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:アレクサンダー・スカルスガルド、キルスティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、キーファー・サザーランド、ブラディ・コーベット、イェスパー・クリステンセン、シャーロット・ランプリング、ジョン・ハート、ステラン・スカルスガルド、ウド・キア
【作品内容】
マイケル(アレクサンダー・スカルスガルド)との結婚を控えた大手広告代理店のコピーライター、ジャスティン(キルスティン・ダンスト)は、姉のクレア(シャルロット・ゲンズブール)と夫のマイケル(キーファー・サザーランド)の豪邸で開催された結婚パーティーに招かれていた。
だが、花嫁のジャスティンは2時間遅刻した挙げ句、どことなく憂鬱な表情をしている。そして、やがて彼女はケーキカットの時間に入浴したりと勝手気ままに行動し始める。
ジャスティンの行動に憤るジャスティン。しかし、実のところ、平静を装うジョンやクレアも、ただならぬ不安を抱えていた―。
【注目ポイント】
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)をはじめ、数々の問題作を世に送り出してきた奇才、ラース・フォン・トリアー。そんな彼が、「うつ病」をテーマに制作した作品が、この『メランコリア』だ。
主演は『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2014)のキルスティン・ダンスト。他にはシャルロット・ゲンズブールやキーファー・サザーランドら実力派が名を連ねる。
地球滅亡を描いた作品といえば、多くの方がパニック映画を頭に思い浮かべるだろう。しかし、本作で描かれる世界の終わりはあくまでも静謐で、登場人物たちも地球滅亡と言う事実から目を逸らし、平静を装っている。
長年、うつ病に苦しんでいたトリアー。本作に描かれた作品世界は、彼の精神世界そのものなのかもしれない。