戸塚純貴が放つ笑顔と演技力が魅せた新たな境地
最初に戸塚純貴の姿を意識したのは、ドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系、2020)の根来恭介(ねごろ・きょうすけ)役。その前から「あ〜、よくドラマに出ている人だ」とい感覚だけはあったけれど、あまり視界に入ってくることはなかった。福田雄一監督の作品でよく見る俳優…というところだろうか。
その感覚を覆したのが『親バカ青春白書』で演じた超・強烈な、大学生・根来。登録者数が20人くらいしかいない、自称・YouTuberといういかにも時代を感じさせるチャラい役。自虐的なシーンやセリフも多かった。連続ドラマの通常運転だと若手のお笑い芸人がキャスティングされそうだけど、選ばれていたのは『第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』(2010)にて「理想の恋人賞」となった、正真正銘のイケメンだ。が、この作品ではそんな様子を微塵も見せることはなく、コメディエンヌに近い演技に徹していた。笑った〜。
喜劇的な役を演じられる俳優は、日本国内に少ないように思う。「大人計画」に属するメンバーや、ムロツヨシ、山田孝之、濱田岳 と、純粋に顔立ちの整った俳優と比べると…パッと名前は浮かばず。若手が育っている様子も見受けられない。そこにひょいと笑顔で、頭を突き出してきたのが戸塚純貴だ。