実績充分。ヤンキー作品に欠かせない存在
綾野剛『新宿スワン』
【注目ポイント】
日本の俳優界を牽引している綾野剛。作品ごとにガラリと雰囲気を変えることができる綾野は、ヤンキーやヤクザを演じる時、とりわけ強いインパクトを残す。
代表作は映画『新宿スワン』(2015)ではないだろうか。漫画原作で実写化された『新宿スワン』は2015年に公開された。主人公の白鳥役を務めた綾野を筆頭に沢尻エリカ、豊原功補など豪華俳優陣が名を連ねた本作は、見事な出来栄えでシビアな審美眼を持つ原作ファンを唸らせた。白鳥を演じる綾野剛が抜群にハマっており、個人としても高い評価を得ることになった。
さらに綾野は、映画『日本で一番悪い奴ら』(2016)では、裏社会と通じる悪徳警官・諸星を見事に演じ、ダークな演技を披露。特に、諸星が覚醒剤を打つシーンはショッキングで、目を覆いたくなるようなリアリティがある。
そんな綾野だが、ブレイク前にヤンキー映画の金字塔『クローズ ZERO II』(2009)に出演していることをご存知だろうか。同作で綾野は主人公がいる鈴蘭高校のライバルである鳳仙学園に属するクレイジーな喧嘩マニア・漆原役を快演。「あの危険な目つきをしたロン毛のイケメンは誰?」と、当時、観客をざわつかせた。
綾野がアウトロー役として起用されれば外れがない。それは2024年にスマッシュヒットを記録した『地面師』(Netflix)で証明された。今後、綾野が再び不良役を演じる時はくるのだろうか。今後の活動から目が離せない。