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セックス、ドラッグ、暴力…
この世の絶望を煮詰めたカオスのるつぼ

『リバース・エッジ』(2018)

二階堂ふみ
二階堂ふみ【Getty Images】

R15+指定
監督:行定勲
原作:岡崎京子
脚本:瀬戸山美咲
出演:二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平

【作品内容】

 若草ハルナ(二階堂ふみ)は、彼氏の観音崎(上杉柊平)にいじめられていた山田(吉沢亮)を助けたことから、彼の秘密の宝物を教えてもらう。それは、河原に放置された死体だった。

「これを見ると勇気が出るんだ」。そう言う山田に絶句するハルナ。と、そこに死体のありかを共有する後輩のモデル、こずえ(SUMIRE)が登場。同性愛者の山田とハルナ、こずえの3人は、恋愛には発展しない歪んだ友情で結ばれていく。

【注目ポイント】

 大河ドラマ『青天を衝け』(2021)で俳優として確固たる地位を築いた吉沢亮。そんな彼が、身体を張って挑んだ作品が、この『リバース・エッジ』だ。

 原作は『ヘルタースケルター』で知られる漫画家、岡崎京子の同名漫画。監督は『GO』(2001)や『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)の行定勲が務める。死体にドラッグ、暴力、セックスー。本作で描かれているのは、そんな仄暗いモチーフが散りばめられた、行き場のない青春だ。

 その代表格が、主人公の山田だろう。同性愛者である彼は、女性とカモフラージュで付き合いながら陰で男性相手に春を売っている。その姿は、吉沢亮の演技も相まって退廃的で倒錯的な美しさに溢れている。

 そして、最も印象的なシーンが、土居志央梨演じる過食症の彼女、小山ルミとのセックスシーンだ。ドラッグを吸った後、お互いに欲望をぶつけ合うように身体を重ねるさまは、従来の爽やかな吉沢亮のイメージを覆すこと請け合いだろう。

 なお、本作には他に二階堂ふみやSUMIRE、森川葵ら、若手実力派が多数出演している。彼らの熱演をぜひ目に刻んでほしい。

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