河瀬直美監督に見出され才能を開花
村上虹郎
20代にして実力派俳優として高く評価される村上虹郎。その存在感には色気があり、どんな役を演じても強烈な印象を残す。若手俳優の中でも、間違いなくトップクラスの実力を誇る俳優の1人だ。
村上の父は俳優の村上淳、母は歌手のUA(ウーア)。芸能一家に生まれながらも、幼い頃は家を空けることの多かった両親の生き方に複雑な思いを抱いていたという。それでも選んだ俳優の道。そんな村上が俳優としての資質を見出したのが、映画『2つ目の窓』(2014)で彼を主役に抜擢した映画監督の河瀬直美だ。この作品で虹郎は、父の村上淳と初共演。劇中でも親子役を演じた。
当時、俳優としての覚悟が定まっていなかった虹郎に対し、河瀬監督は厳しく接することもあったという。しかし、河瀬監督の演出に見事に応え、これをきっかけに俳優としての才能が開花。映画『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)では、柳楽優弥演じる破天荒な兄をもつ少年の心情を繊細に演じるなど、研ぎ澄まされた演技を披露するようになる。
人気漫画を実写化した『東京リベンジャーズシリーズ』では、物語の鍵を握る羽宮一虎役を好演。豪華キャストが揃う中、MVP級の活躍を見せ、映画を成功に導いた。