今年、最も期待を超えてきたドラマは? 全ドラマ視聴のコラムニストが2024年のトレンドを分析。子役ブームの火付け役は?
text by 小林久乃
2024年もそろそろ終わり。今年も多くの連続テレビドラマが地上波で放送されて、ムーブメントを起こしてきた。全クールの全ドラマ視聴中(時折、視聴離脱あり)の私こと、小林久乃が今年のドラマ界に見られた特徴、トピックスなどをまとめます。言いたい放題の主観、暇つぶしにお楽しみください。(文・小林久乃)
【著者プロフィール:小林久乃】
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報は
2024年「子役ブーム」の火付け役は?
今年ドラマを見ていて気づいた、トピック1は“子役の演技のナチュラル化”です。
『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)で松村北斗(SixTONES)演じる楠見俊直の娘・ルカ役を演じた倉田瑛茉ちゃんが、ブームの火付け役でしょうか。台本を読み込み、練習を重ねた結果なのか、素の姿なのか分からなくなるほど自然な演技がドラマで目立つようになりました。
『0.5の男』(WOWOW、Netflix、prime video)に出演した蓮役の加藤矢紘くん。『ライオンの隠れ家』(TBS系)のライオン役の佐藤大空くんらも同じく、観ているとクセになりそうな勢いのある演技は子ども特有のもの。
「アメンボ赤いな、あいうえお!」
かつての日本では子役に厳しかった。劇団に所属して朝から晩まで稽古をして、現場に入ったら「おはようございます!」とご挨拶…という、大人並みの仕事ぶりを子役に求めていたのです。
その試練を超えて、王座に君臨するのが芦田愛菜さんだと思いますが、彼女を超えるのはなかなか厳しい。そこへ自然な演技というニューウエーブの登場といってもいいかもしれません。
あとは番組のインスタグラムの動画の影響も大きい。大人ばっかりの現場だとシュールな絵面になりがちですが、子役がいると俄然、縦型画面が面白くなりますもんね。来年はどんな子役は出てくるのか。出産率低下の昨今、心配です。