週末も磐石の布陣

　週末のドラマ視聴も忙しそうだ。

　TBS系の金10放送枠は、広瀬すず主演の『クジャクのダンス、誰が見た？』（1月24日）。元警察官の優しかった最愛の父親を殺された娘・山下小麦（広瀬すず）が、遺された手紙を手がかりに死の真相に迫るサスペンス。

　小麦の捜査に協力をするのが、弁護士の松風義輝（松山ケンイチ）だ。何かを匂わせるようなタイトルが、一層の視聴欲をそそる。広瀬といえば、配信中の『阿修羅のごとく』（Netflix）で見せた、嫌味ったらしい金満妻の演技が最高だった。今回も間違いはないと推測する。

　土曜は川口春奈主演の『アンサンブル』（日本テレビ系・1月18日）。小山瀬奈（川口）は恋愛トラブルに関する案件を多く取り扱う、何事においても現実主義の弁護士。そんな瀬奈の前に現れたのは、理想主義の新人弁護士・真戸原優（松村北斗）。このふたりが互いに理解しあっていくラブストーリーだ。

　川口春奈に松村北斗とは、もう演技は磐石、安泰。なんの心配もなく物語に身を委ねていられる。冬クールは連続ドラマの本数も相変わらず多く、しかも豪華なキャスティング。でも個人的に命を燃やす、純然たる恋愛ドラマが少ない。そこにきて、この二人の登場はありがたく、公式ホームページの人物写真に後光が差しているように見えました。かたわらには働き俳優マンこと、田中圭もスタンバイ。土曜は飲み歩いている場合ではなさそうだ。

　そして日曜を飾るのは大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』（NHK総合）。日本中、誰もが知るあのTSUTAYAの店名のヒントになった人物と言われる、蔦屋重三郎（横浜流星）の生涯を描く。重三郎は現代の出版界における、敏腕編集者という役どころ。私も出版社出身で現役の編集者なので、興味はわく。

　大河ドラマというとやはり“戦”がメインとなって、数十年間も放送されてきた。ただ昨年の『光る君へ』以降、少しだけ方向性が変わってきたような雰囲気。切った、刺した、殺したシーンの連発はグロいのですよ…。吉原の現実を赤裸々に描いた第一話から続くこの語りはいかに？

　以上、今年も忙しい皆さまのホッとひと息つけるテレビドラマの情報がお届けできますように。

（文・小林久乃）

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