2024年、ドラマ界を席巻した女優・野呂佳代。医療スタッフから主婦まで、幅広い役を演じ分け、各クールでその存在感を放ち、まるで実在しているかのようなリアリティーを生み出した。今回は、2025年も話題作への出演が決まり、期待が高まる野呂佳代の過去の出演作を振り返りながら、その魅力に迫る。（文・小林久乃）

【著者プロフィール：小林久乃】

出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ！」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報はこちら

2025年も引っ張りだこの野呂佳代

　2025年1月12日（日）より、ドラマ『ホットスポット』（日本テレビ系）が始まる。「バカリズムが脚本！」と、彼が手がけたヒット作『ブラッシュアップライフ』（日本テレビ系、2023）を思い出して、放送開始以前からワクワクが止まらない視聴者たち。ほかにも市川実日子が主演など、期待がふくらむ要素が散らばっている、冬ドラマの期待の星だ。

　ただ今回クローズアップしたいのは、脚本でも主演でもない。出演予定の野呂佳代だ。彼女が演じるのは清掃スタッフの中本こずえ。主人公の遠藤清美（市川実日子）が勤務するビジネスホテルの同僚役だ。

　ドラマスタート前、これ以上の情報は見つからない。ひとつあるとすれば、前述の『ブラッシュアップライフ』にも、野呂が出演していたということ。「あ〜、いる。取材現場にこういうメイクさん、いる！」とうなずく、ヘアメイク役だった。

　それから約2年が経過して、野呂佳代は超・人気女優になった。関係者から小耳に挟んだ情報によると、2025年も含めてなかなかスケジュールの取れない多忙ぶりらしい。

　そして思い返すと2024年はずっと彼女の姿をドラマで見ていたような気がする。