現代に必要な存在感
ここからは推論になるが、では彼女がなぜそんな人気者になったかといえば、本人から滲み出ている幸せ感だと思う。ふと野呂佳代を思い出すと「すいませ〜ん」とでも言いながら、ニコニコしている本人像が自然と浮かんでくる。不機嫌そうな彼女は浮かんでこない。これが成立する女優は少ないと思う(私調べ)。
加えてスレンダーボディ一強時代と化している昨今において、彼女の体型は私たち中年世代のミューズである。ルッキズムという言葉がつきまとうので、多くを書くことはできないが、日本の女優にはふっくらとした体型で人気を持つタイプが少ない。マシュマロボディー、わがままボディーとやらが、お笑い芸人に流れてしまうのは、なんだかなあと首を傾げる。標準体重よりも太っていそうな雰囲気は自虐として、消化をするしかないのか? いやそんなことはない。
そこへ野呂佳代が演技力をグイグイとあげて、舞い降りてきた。とはいえ、アイドル時代とは変わりのないほんわかキャラ。殺伐とした現代、さらに魑魅魍魎が跋扈するような芸能界において、彼女は貴重な存在だ。2025年もブレず、狂わず、そのままで邁進して私たちのミューズであってくれ。
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