落下シーンがリンクするドラマ『虎に翼』


三代目 J SOUL BROTHERS公式Instagramより

「R.Y.U.S.E.I.」あとのバックモニター使いは、今や映画俳優としての佇まいが麗しい岩田剛典を際立たせるための特殊効果と捉えるべきかもしれない。しかも落下という、いかにも映画的な運動感を導入することで2024年の岩田を代表する名演も自然とそこに重なってくる。

 伊藤沙莉が戦後を駆け抜ける裁判官を演じた連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合)である。岩田は同僚判事を演じた。第4週第18回で描かれるハイキングで、岩田がワイヤーアクションによって落下する場面がある。

 この落下場面は、腕を振り上げて仰け反る岩田が宙を泳ぐような不思議な画面として描写されていた。アルフレッド・ヒッチコック監督作品における落下場面ととてもよく似ている。

 岩田剛典という俳優はどこか古典的な存在感がある人だなと漠然と思っていたが、ヒッチコック落ち(岩田本人は2024年4月26日放送回の『朝イチ』に出演したとき、マトリックス落ちと形容)を体験したことでよりその古典的佇まいを強固なものにしたのではないか。俳優として次なるフェーズへ入った2024年の締めくくりとして、ライブ空間でもヒッチコック落ちをなぞり、背面落ちを再現していたことに感動した。

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