個性が響き合う三代目JSBメンバー


三代目 J SOUL BROTHERS公式Instagramより

 交響詩であり映像詩でもある三代目JSBのライブでは、こうした映画的要素を随所に確認することができる。『“ECHOES OF DUALITY”』MCコーナーで、デビューから変わらずオリジナルメンバーで活動してきた「奇跡」についてそれぞれが噛み締めながら言及する中、ØMIが「一個一個の奇跡」と口にして歌い始めた「この宇宙の片隅で」が、一際、映画的魅力を放っていた。

 2023年新年、サプライズ的にリリースされた同曲歌唱中の要所、ここぞというタイミング。ØMIのクロースアップがモニターに浮かぶ。彼に対してやや斜めに位置するカメラが捉えたその横顔。これもまた「奇跡」の一語に相応しい神々しさだった。

 ØMIがきめこまやかな解像度でモニターに写る存在だとするなら、もうひとりのボーカル、今市隆二は今現にそこに立っているという生々しい存在論な人だろう。今市を前にしただけでぼくらはなぜだか無性に感動してしまう。

 R&Bをこよなく愛する彼のメロウネスと存在が強固な物語性を帯びているからなのか。リーダーNAOTOのトークには腹を抱えて笑い、小林直己のサムライ的な佇まいを見て襟をただし、ELLYが「楽しんでますかっ!?」と呼びかける一声には大声援で応え、パフォーマーの山下健二郎が満面の笑みでポーズを決める姿には誇らしさを感じる。

 三代目JSBとは、映画的でもあり、アグレッシブな生身のリアリティでもある。

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