どんな状況でも生徒を信じ抜く熱血教師

佐藤隆太『ROOKIES』（TBS系、2008）

　教師が問題児と真正面から向き合い、夕陽に向かって走る…。かつて、昭和の学園ドラマは、そんな「熱血教師モノ」がほとんどだった。しかし、2010年代以降、「熱血教師モノ」は徐々に作られなくなり、学園ドラマの多様化が進みはじめる。そんな中、颯爽と登場した「ド直球の熱血教師」が、『ROOKIES』シリーズ（TBS系）の川藤幸一だ。

　本作は、高校野球を舞台に、熱血教師とヤンキー生徒の交流を描いた作品。川藤役は佐藤隆太で、生徒役には市原隼人、城田優、佐藤健、桐谷健太など今をときめく俳優が名を連ねる。視聴者の中には、本作で彼らをはじめて見出したという方も多いだろう。

　佐藤演じる川藤の最大の魅力は、熱い信念と優しさだろう。生徒を決して見捨てず、その可能性を信じ抜く…。生徒たちに夢を追うことの大切さを説く彼の姿には、そんな王道青春ドラマの魂が垣間見える。また、従来の「熱血教師モノ」とは異なり、独りよがりではなく、あくまで生徒たちの視点に立っている点も、大きなポイントだ。