生徒に寄り添い時に涙する、人生の伴走者
大泉洋『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ系、2009)
持ち前のユーモアで、どんな役も自家薬籠中の物としてしまう名優、大泉洋。今や八面六臂の活躍を繰り広げる大泉だが、彼の連続ドラマ初主演作が、実は教師役だったことはご存知だろうか。
大泉主演の『赤鼻のセンセイ』は、2009年に日テレで放送されたハートフルドラマ。病院内に設置された学級を舞台に、生徒たちの生きる力を引き出すべく奔走する2人の教師の姿が描かれている。
本作の注目ポイントは、大泉にしか演じられない人間味あふれる演技だろう。大泉演じる石原参太朗が、子どもたちに寄り添いながらも時に迷い、時に涙する…。そんな彼の姿は、教師というよりも伴走者と言った方が的確かもしれない。
特に、彼のユーモラスな掛け合いと、時折見せる真剣な表情のギャップは、キャラクターにこの上ない深みを与えている。