冬ドラマは「金持ちキャラ」で大渋滞? なぜ富裕層を描く民放ドラマが増えているのか? 識者が背景を徹底考察&解説
text by 小林久乃
粒ぞろいの冬ドラマ。あれもこれもと録りためて、HDDレコーダーの容量がすぐにいっぱいになってしまう…という人も少なくないだろう。バラエティ豊かな今期のドラマだが複数の作品に共通して見られる特徴がある。そう、やたらと富裕層に属する登場人物が出てくるのだ。コラムニストの小林久乃さんに解説していただいた。(文・小林久乃)
—————————————————-
【著者プロフィール:小林久乃】
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報はこちら
冬ドラマは「金持ちキャラ」で大渋滞
現在放送中の冬ドラマ、『プライベートバンカー』(テレビ朝日系)、『財閥復讐〜兄嫁になった元嫁へ〜』(テレビ東京系)、『御曹司に恋はムズすぎる』(関西テレビ、フジテレビ系)、『家政婦クロミは腐った家族を許さない』(テレビ東京系)、『フォレスト』(ABC、テレビ朝日系)。この5作品に共通するのが、財閥や資産家、経営者など富裕層と呼ばれる人物が登場することだ。それぞれ内容もテーマもまるで違うのに、どこかに既視感を感じると思ったら、答えは「あ〜、ぜんぶ金持ちがよく出てくるのか」。
以前、映画チャンネルでも“御曹司と庶民女性の格差恋愛”について文章を寄せたが、今回は視点を変えて“なぜ日本のドラマに富裕層の登場が増えたのか”を考察する。恋愛こそしなくても、日本のドラマには役柄=金持ちが頻繁に顔を見せているのだ。なお、考察論はあくまでも私の判断と予想によるもの。「こんな見方もあるのね〜」と楽しんでいただければ幸いです。