自身の力で運命を切り開く麻美と真逆
「なにもしない系」主人公・清美の魅力
対して『ホットスポット』では、ビジネスホテルの受付業務をする清美自身はいたって普通の人物だ。特別な境遇も他人と違う能力もない。だが、日常に突如として紛れ込んだ宇宙人・高橋(東京03 角田晃広)の存在によって、生活が徐々に変化していく。
そう、この作品においては清美自身には何も起こらない。「部屋の備品を盗む泥棒を捜す」「体育館の天井に挟まったバレーボールを取りに行く」「壊れた給湯器を直す」など起こった小さな事件を解決するのはあくまでも高橋で、清美はただ自分にできること(仕事だったり生活を)しながら、ありのままの姿で解決、または傍観していく。
ある意味、自身の力で運命を切り開こうとする『ブラッシュ・アップ・ライフ』とは、真逆の「なにもしない系主人公」が清美なのだ。
しかし、だからこそ視聴者は、より自分の日常と密接に感じることができるのかもしれない。職場の同僚や地元の親友たちとダラダラと喋るあの時間を「ずっと見ていたい」と思わせる引力がある。