バカリズム脚本、後半戦へ突入

『ホットスポット』第6話 ©日本テレビ
『ホットスポット』第6話 ©日本テレビ

 そこに劇的な変化ではないが、「スパイス」的な刺激を与えてくれるのが高橋という存在だ。しかし、高橋は決してスーパーヒーローではない。10円玉を曲げるほどの腕力や、凄まじいスピードで移動する脚力、わずかな匂いを元に場所を特定する嗅覚など人間では考えられない能力を持っているが、それ以外はどこにでもいる、普通の、ただのオジサンだ。

 能力を使うとすぐに疲れる、微熱が出る、などの欠点もある。宇宙人という特別な存在なのにもかかわらず、その背中は哀愁すら漂っている。そして、そこが愛おしい。今までのSF作品で、こんなにも宇宙人が身近に感じられる存在は、いなかったのではないだろうか。

 しかし6話では、徐々に高橋の存在が「外」へと漏れ出している。清美の周囲だけで起こっていた不思議な出来事が、少しずつだが確実に広がっている。この『ホットスポット』でも、『ブラッシュ・アップ・ライフ』と同じく後半でまったく予想だにしていなかった物語へと展開していくのかもしれない。

 いま私の想像力で思いつく展開は、ついに高橋の存在が国にバレ実験の対象になってしまうのを清美たちが助ける、他の星から宇宙人が地球にやってきて侵略を企てるのを高橋が食い止めるとか。そんな平凡なものしか浮かばない。

 きっとバカリズムなら想像の遥か斜め上を行くとんでもない展開で我々を驚かせ、最後にはカタルシスと感動をくれることだろう。後半の展開が楽しみで仕方がない。

(文・かんそう)

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