最も演技が上手い「アイドル出身女優」は? 大化けした宝石5選。見事な転身を遂げた素晴らしきカリスマをセレクト
“アイドル出身”と聞くと、華やかでキラキラしたイメージが思い浮かぶかもしれない。しかし、アイドルの世界を生き抜いてきた彼女たちは、確かな実力を身につけている。今回は、そんな経験を糧に、アイドルから女優へと見事な転身を遂げた5人の実力派女優を紹介する。(文・阿部早苗)
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【著者プロフィール:阿部早苗】
神奈川県横浜市出身、仙台在住。自身の幼少期を綴ったエッセイをきっかけにライターデビュー。東日本大震災時の企業活動記事、プレママ向けフリーペーパー、福祉関連記事、GYAO トレンドニュース、洋画専門サイト、地元グルメライターの経験を経て現在はWEB媒体のニュースライターを担当。好きな映画ジャンルは、洋画邦画問わず、社会派、サスペンス、実話映画が中心。
”演じていない”ように見せる技術がすごい
満島ひかり
女優として数々の賞を受賞し、その演技力で観客を魅了し続ける満島ひかり。しかし、彼女のキャリアは女優だけではなく、1990年代後半から2000年代前半にかけてアイドルとして活動をしていたことをご存じだろうか。
沖縄アクターズスクール出身で1997年に結成された男女混合ダンス・ボーカルグループ「Folder」のメンバーとしてデビュー。当時は「HIKARI」名義で活動しており、実力派シンガーとして活躍している三浦大知も同ユニットメンバーだった。その後、三浦大知(当時Daichi)が変声期のため脱退。残った女性5人で「Folder5」として再編成し、2002年まで活動していた。
スクリーンデビューとなったのは映画『モスラ2 海底の大決戦』(1997)。当時、小学生だった満島は沖縄の小学生・汐里役で出演。その後は特撮ドラマにも出演している。
『川の底からこんにちは』(2010)でコメディに振り切った芝居を披露したかと思いきや、本格ミステリーである『愚行録』(2017)では、シリアスな芝居で映画を引き締めてみせた。『ラストマイル』(2024)を興行的成功に導くなど、現役屈指のヒットメーカーでもある。『Woman』(日本テレビ系、2013)、『カルテット』(TBS系、2017)、『初恋の悪魔』(日本テレビ系、2022)など、ドラマ作品での活躍は言わずもがなだ。
満島の凄さは、”演じている”ことを感じさせない自然体で誠実な芝居にある。一方、エモーションが高まるシーンでは、悲しみや怒り、喜びといった感情を爆発させ、物語を盛り上げる芝居も素晴らしい。
様々なジャンルの作品で多彩なキャラクターを演じ分ける満島は作品ごとに新しい顔を見せてくれる。まさに「カメレオン俳優」と呼ぶにふさわしい存在と言えるだろう。