どんなジャンルもこなす実力派女優

川栄李奈

川栄李奈
写真:wakaco

 女優として多岐にわたる活躍を見せている川栄李奈。かつて人気アイドルグループ・AKB48のメンバーとして活動していた。2010年、AKB48の第11期研究生オーディションに合格し、アイドルとしてのキャリアをスタートし、持ち前の明るいキャラクターとバラエティー番組で見せる飾らない姿で人気を獲得した。

 同グループ卒業前に女優としてのキャリアをスタートさせていた川栄。その作品となったのがドラマ『セーラーゾンビ』(テレビ東京系)だ。映画監督の犬童一心が企画などを手がけた”青春ポップホラー”ドラマで、ゾンビの世界で生きる女子高生がサバイバルに挑むこの作品で川栄は、ゾンビに立ち向かう女子高生役を演じた。

 アイドル時代は「おバカキャラ」で知られた川栄だが、宮藤官九郎脚本のドラマ『ごめんね青春!』(TBS系、2014)では、難関大学も視野に入れる、秀才の女子高生を好演。従来のイメージとは異なる役柄を見事に演じ上げ、ドラマ好きから一目置かれる存在に。

 2015年に同グループを卒業し、女優業に転身。現在は演技派女優として認知されている彼女だが、推しも押されぬ代表作といえば2022年に放送されたNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』だろう。3人のヒロインがつなぐこの物語で、川栄は時代劇の世界に憧れる女性・ひなた役を演じ、若い世代のみならず、シニア層にまで認知されるきっかけとなった。

 映画『亜人』(2017)では本格的なアクションシーンに挑戦。小柄な体格からは想像もできないほどの俊敏な動きと、キレのあるアクションで観客を魅了。身体能力の高さを証明すると同時に、どんな役でもモノにする、稀有な器用さを改めて知らしめた。

 コメディからシリアスなドラマ、さらにはアクションやサスペンスに至るまで、どんな役でもソツなくこなす川栄。器用さが一切嫌味に映らないのは、どんな役を演じる時も「芝居が好き」という気持ちがみなぎっているからかもしれない。

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