1984年生まれの俳優・田中圭は、近年代表作に恵まれ、テレビで見ない日がないほどの人気を誇っている。今期は『アンサンブル』（日本テレビ系）に出演中の田中。齢40を超えて、さらに魅力を増す田中の魅力を深掘り解説する。（文・小林久乃）

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【著者プロフィール：小林久乃】

出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ！」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報は こちら

芸能界一の働きバチ・田中圭

　放送中の『アンサンブル』（日本テレビ系）で、田中圭の姿をまた見かけた。この人、芸能界一の働きバチ…いや、社畜俳優かもしれない。2023年連続ドラマへ４作、映画１作、2024年は連続ドラマ２本に加えて、映画３作に出演。この間にプロモーションもあれば、バラエティ番組の出演に写真集発売、舞台に、所属事務所の運動会まで参加している。年齢も40歳で、キャリアも申し分はない。それなのにデビュー時のアイドルのようなハードスケジュールをこなす様子を眺めていると「いや、なにもそんなに働かなくても…」と止めたくなってしまう。

　今クールのドラマでは、ヒロインの小山瀬名（川口春奈）の元彼役・宇井修也役。学生時代に瀬名をこっぴどく振っておきながら、またアプローチをしてくる。瀬名には新しい恋の予感がしているのに、迷ってしまう。宇井は恋の当て馬なのか、ただの元彼か…？　ふーん…と、ドラマを鑑賞していると、田中圭が元彼役としてのキャスティングが多いことに気づく。件のごとく、これまでの合計出演本数が尋常ではないため、イメージが被ってくるのはいた仕方ないとしても、元彼役がよく似合っていたことを思い出す。当時を回顧しながら、印象深かったドラマ出演作をいくつか振り返ってみたい。