教師不足の時代に寄り添う、等身大のリアルな教師像に共感
生田絵梨花『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・朝日系)
生田絵梨花が主演を務めた『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・朝日系)は、現代社会における新しい教師の在り方を示した作品だと言える。不本意にも担任を任され、教員の辞め時を逃してしまった2年目の高校教師・笹岡りおが生徒のために奮闘を続ける中で人間的に成長していく過程が描かれる。
現在、日本では「深刻な教員不足」が嘆かれている。加えて、過酷な労働を余儀なくされている教員は少なくない。本作の魅力は、教師のイチ社会人としての悩みが赤裸々に描かれている点にある。生田演じる笹岡はいかなるカリスマでもなく、視聴者と同じ葛藤を抱え、等身大の努力と根性で困難を乗り越えていく。
生田の魅力は、その自然体の演技にある。過剰な演技を抑えることで、キャラクターをより身近なものにする。特に、生徒と真剣に向き合うシーンにおける、彼女の温かみのある眼差しや優しい語り口に心を揺り動かされた視聴者は少なくないだろう。