まるでジョーカーのような怪演
菅田将暉『MIU404』(2020)
刑事ドラマとしてのスリルとバディものの面白さが絶妙に融合し、綾野剛と星野源のコンビで人気を博したドラマ『MIU404』(TBS系)。2024年には同ドラマと世界線を共有する映画『ラストマイル』が興行収入50億円を超える大ヒットを記録し、話題を集めた。
「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」を舞台に、バディを組むことになった伊吹藍(綾野剛)と志摩一未(星野源)が24時間以内の事件解決を目指し、さまざまな事件に立ち向かう『MIU404』の終盤では、闇社会の黒幕が関わる大きな事件が描かれる。黒幕の久住を演じたのが菅田将暉だ。言わずもがなの主役級キャストである菅田の贅沢な起用に、放送当時、ネットは沸きに沸いた。
久住は、気さくで明るくフレンドリーな人物でありながら、その正体は違法薬物の売人であり、無知な若者を犯罪の道に陥れる頭脳犯である。
久住に扮した菅田の演技にネットでは「悪役っぷりが見事すぎる どこまでもラスボスらしい底知れなさがあってゾクゾクした」「久住役が恐ろしいほどの存在感だったな」と狂気的な芝居を絶賛する声がある一方で、映画『ダークナイト』(2008)のジョーカーを思わせる紫色のシャツを着用していたことから「ヒース・レジャーのジョーカーをリスペクトした悪役は見事」といった声も見られた。
最終回では、隅田川を舞台にした壮絶な逃亡劇が繰り広げられた。伊吹と志摩に追いつめられ、万事休すと判断した久住は、自ら命を絶とうとするが、一命を取り留める。
現代社会の闇や若者の絶望を象徴するようなキャラクターを見事に演じた菅田将暉。今後、もし『MIU404』の続編が作られたら再登場は必至だろう。