「未だにあの恐ろしさが抜けない」伝説の名演

中村倫也『闇金ウシジマくん Season3』(2016)

俳優の中村倫也
中村倫也【Getty Images】

 ミステリアスな役から、優しくて温かみのある役まで幅広く演じている中村倫也。そんな中村が結婚詐欺師役を演じたのが2016年に放送されたドラマ『闇金ウシジマくん Season 3』だ。

『闇金ウシジマくん』は、漫画家・真鍋昌平による大人気コミックスを原作に、2010年に「Season1」、2012年に劇場版、2014年に「Season2」が放送され話題を呼んだ作品。 法外な金利で金を貸し付ける闇金業者と、借金に翻弄される人々の人生を描いており、「Season 3」では映像化が難しいと言われてきた「洗脳くん編」をドラマ化している。

 そんな本作で中村倫也演じる神堂は、交際相手を巧みに支配し、暴力と甘い言葉を使い分け社会から孤立させていく危険な詐欺師。やがて彼女の家族にも手を伸ばし、巧妙な洗脳によって一家を崩壊へと追い込み、財産を奪おうとする…。何とも背筋が凍る恐ろしい役だった。

 交際相手の婚約指輪が外れないよう指をビール瓶で潰す展開もあり、外見は爽やかで人当たりが良いものの、突発的に暴力を振るう。中村が今まで演じてきた役の中でも飛び抜けてサディスティックなキャラクターである。

 俳優としての演技力はもちろん、甘いマスクや雰囲気も多くの人に愛されている中村だが、SNSでは「この時の中村倫也、演技力が異常に高すぎて「そういう人」なんだと思った」「闇金ウシジマくんでの神堂役が初見でだったんですけど、未だにあの恐ろしさが抜けなくて」という声も見られる。

 神堂というキャラクターの恐ろしさを最大限に引き出し、視聴者に強烈な恐怖と緊張感を与えた中村。ドラマ史に残るトラウマキャラと言っても過言ではないだろう。

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