低視聴率でブレイクした類い稀なドラマ

『鈴木先生』(2011、テレ東系)

長谷川博己
長谷川博己【Getty Images】

監督:河合勇人
脚本:古沢良太
キャスト:長谷川博己、臼田あさ美、北村匠海、矢作穂香、田畑智子、でんでん、富田靖子、山口智充、松岡茉優、吉永アユリ、真中あお、三浦透子

【作品情報】

 国語教師・鈴木章(長谷川博己)は、生徒たちの心の奥に潜む鬱屈を感じ取り、独自の教育メソッドで向き合っていた。教育の常識を超え、些細ながら重大な事件にも誠実かつ情熱的に対応し、理想のクラス作りに奮闘するが…。

【注目ポイント】

 映画化もされたドラマ『鈴木先生』(2011、テレ東系)。さぞかしドラマも高視聴率だったのでは…? と思いきや、平均視聴率はまさかの2.1%! 視聴率は低かったものの、DVDなどの売上は好調。SNSでも「これが低視聴率とは思えない」といった疑問の声が絶えない、名作ドラマだった。

 そんな本作の主人公は長谷川演じる教師の鈴木。独自の教育哲学を持つ中学校教師である。彼は問題のある生徒ではなく、問題のない生徒に気を留める。一方で、担当するクラスの美少女に対して複雑な感情を抱くなど、人間味あふれる(見方を変えるとかなり危うい)教師である。

 本作で連続ドラマ初主演を務めた長谷川博己は、そんな鈴木先生の心の揺らぎを丁寧な芝居で表現し、ブレイクの糸口をつかんだ。

 前述のとおり低視聴率ではありながらも、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞など数々の賞を受賞したのは、ひとえにドラマのクオリティの高さによる。

 SNSでも「鈴木先生は低視聴率だったけど超面白いんだよ!観たらわかるあの面白さ」という声も多く、低視聴率がゆえに打ち切りを心配する声も多くあったため、公式からは「低視聴率で打ち切りを心配している方がたくさんいらっしゃいますが、ここに宣言します。「絶対に打ち切りにはしません!」」と投稿したほどだった。

 生徒役に目をやると、北村匠海、松岡茉優、土屋太鳳など今では主役級の名優が勢ぞろい。学校内のリアルを描いた本作、未見の方は是非とも観ていただきたい。

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