知的な学者の役を演じてほしい
松村北斗
6人組のアイドルユニットSixTONESのメンバーであり、俳優としても幅広く活躍する松村北斗。ドラマ『私立バカレア高校』(2012、日本テレビ系)で俳優デビュー。その後、ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系、2019)では義足の青年という難役を演じ話題に。2021年には連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)に抜擢され、知的で優しい主人公の運命の相手となる雉真稔を演じたことで多くの視聴者の心をつかんだ。
繊細で影のある青年を演じさせたらピカイチ。映画『夜明けのすべて』(2024)では、パニック障害を抱える青年を自然体で演じ、映画評論家が選出する2024年のキネマ旬報ベストテン最優秀主演男優賞を獲得。
トップアイドルであるにもかかわらず、町工場の作業服を完璧に着こなすなど、役に溶け込む稀有な才能を発揮した。シリアスからラブコメまで多彩な役柄をこなす松村は、今もっとも勢いのある若手俳優の1人であると言っても過言でないだろう。
これまで朝ドラの出演経験はあるが、未だ大河ドラマへの出演はない松村。古風な顔立ちでもあり、映画『ファーストキス 1ST KISS』(2024)では考古学を研究している役がなんともハマっていた。
そんな松村、大河の主役を演じるなら武将というよりは学者というイメージがあり、筆者としては、数いる学者の中でも、教科書でお馴染みの細菌学者「野口英世」の役を推したい。
幼少時の事故が原因で左手が不自由となったにもかかわらず、勉学に邁進し、研究者として出世。ノーベル生理学・医学賞の候補に何度も挙がるなど、世界的に評価される一方、研究熱心が祟り、感染症に罹患して命を落とす…という激動の人生を送った人である。
松村なら野口英世の内面的な葛藤や熱意、そして決して諦めない姿勢をリアルかつ、ドラマティックに表現できるのではないだろうか。