是枝裕和監督とのタッグで名実ともにトップ女優へと躍り出た
広瀬すず
ドラマ、映画、CMに引っ張りだこの広瀬すずは、アイドル的な人気を誇ると同時に、演技派女優としてのキャリアを順調に築いている。スカウトをきっかけにファッション雑誌「Seventeen」の専属モデルオーディションを受け、「ミスセブンティーン2012」のグランプリを受賞。
モデル活動と同時に、バラエティー番組やCM出演などで知名度を高め、『幽かな彼女』(2013、カンテレ・フジテレビ系)で女優デビュー。そんな彼女が役者として飛躍を遂げた作品と言えば、是枝裕和監督との初タッグとなった『海街diary』(2015)だろう。
この映画で影のある中学生の少女を演じ、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆といった実力と華を兼ねそなえた女優陣と渡り合った広瀬は、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後、是枝裕和との2度目のタッグとなった『三度目の殺人』(2018)では、並み居るライバルを抑えて、最優秀助演女優賞に輝き、名実ともにトップ女優に躍り出た。
そんな広瀬、2019年に連続テレビ小説『なつぞら』のヒロインに抜擢されたが、大河への出演はまだない。大正時代を舞台にした映画『ゆきてかへらぬ』(2025)では、実在した女優・長谷川泰子に扮し、常識にとらわれない、自由奔放であると同時に芯の強さを持つ女性像を見事に体現し、時代劇との親和性の高さを証明してみせた。
もし、広瀬主演に大河ドラマが見られるのであれば、筆者は新五千円札の肖像となった「津田梅子」を推したい。
日本初の女子留学生の一人としてアメリカに渡り、帰国後に女子教育の発展と、女性の地位向上に尽力した人物である。広瀬ならば、現代の私たちにも共感できるヒロインを説得力豊かに演じてくれるのではないだろうか。