「女帝」を演じさせたら右に出る者はいない

小池栄子

小池栄子
小池栄子【Getty Images】

 かつてイエローキャブ(現サンズエンターテインメント)に所属した小池栄子は、グラドルとして活躍。当時から女優志望だったというが、出演はバラエティー番組が中心だった。

 そんな小池だが、キャリア初期から端役で映画に出演しており、出番は少ないながらも、卓越した演技で玄人を驚かせていた。映画『接吻』(2008)で彼女を主演に起用した万田邦敏監督は、2002年の映画『犬猫』における小池の「芝居のセンス」を見抜き、主演に抜擢したと明らにしている。

 その後、彼女の芝居の上手さは、一部の目利きのみならず、広く知れ渡ることになる。名バイプレーヤーから主役クラスへと瞬く間にステップアップ。2023年に放送されたドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)や『新宿野戦病院』(2024、フジテレビ系)で演じた役は、彼女にしか演じられないキャラクターだろう。

 肝心のNHKドラマは? というと、朝ドラの『こころ』(2003)と『マッサン』(2015)、大河は『義経』(2005)と『鎌倉殿の13人』(2022)に出演している。とりわけ、『鎌倉殿の13人』の北条政子役で見せた熱演は語り草だ。そんな小池が次に大河ドラマに出演するならば、番手はトップが妥当ではないか。

 個人的には「持統天皇」役を熱望する。天武天皇(大海人皇子)の妻だった持統天皇は、夫の死後、政策を引き継ぎ、女性天皇として飛鳥時代の日本を統治した、歴史に残る女帝である。

 日本広しと言えど、女帝と呼ばれるキャラクターを演じられる女優は限られている。小池であれば、美しい所作と威厳のある声色で、凄みのある演技を披露してくれるに違いない。

(文・阿部早苗)

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【了】

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