川口春奈主演、松村北斗共演のドラマ『アンサンブル』（日本テレビ系）。「リーガルラブストーリー」と銘打つ本作は、仕事・恋愛・家族などのテーマを詰め込んだ結果、視聴者の期待とツッコミが入り乱れる展開に注目が集まっている。今回は、そんな本作の支柱といえる松村北斗の絶妙な表現力にフォーカスして語りたい。（文・かんそう）

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【著者プロフィール：かんそう】

2014年から、はてなブログにてカルチャーブログ「kansou」を運営。記事数は1000超、累計5000万アクセス。読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る。クイック・ジャパン ウェブ、リアルサウンド テックなどの媒体でライター活動を行うほか、TBSラジオで初の冠番組『かんそうの感想フリースタイル』のパーソナリティも務め、2024年5月に初書籍『書けないんじゃない、考えてないだけ。』を出版した。

『アンサンブル』が描くカオスな世界

　第8話が終了し、いよいよ佳境を迎えたドラマ『アンサンブル』。

　一貫性も整合性もなさすぎるストーリー展開、1秒ごとに性格が変わる登場人物たち、弁護士ドラマ史上最もないがしろにされているリーガル部分、成人した子供の恋愛に口を出し過ぎな親。恋愛要素、仕事要素、親子要素、全てを網羅しようとした結果、それぞれの要素が水で極限まで薄めたカルピスよりも薄くなってしまったのが、『アンサンブル』というドラマだ。

　もはや視聴者はツッコミどころを探すために見ていると言っても過言ではない。制作陣もSNSにトレンド入りするためだけにわざと雑に作ってるのでは？ と思ってしまう。私はaikoが歌う「シネマ」がどのタイミングで流れるのか？ それだけを楽しみにこのドラマを視聴している。

「この冬一番のリーガルラブストーリー」のはずが、「今クール一番のトンチキ変ストーリー」となってしまった『アンサンブル』だが、出演してる俳優たちはAO入試よりも難しい役柄をしっかりと演じている。