現代のネット社会に切り込むシーンが突き刺さる

『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』 (2019、日本テレビ系)

菅田将暉
菅田将暉【Getty Images】

脚本:武藤将吾
キャスト:菅田将暉、永野芽郁、片寄涼太、川栄李奈、上白石萌歌、萩原利久、今田美桜、福原遥

【作品内容】

 卒業まであと10日の3年A組で、教師・柊一颯(菅田将暉)は突如生徒を人質にし、最後の授業を行うと宣言。爆発が起こり生徒たちは学校に閉じ込められる。初日の課題は、景山澪奈の自殺の理由を答えることだった。

【注目ポイント】

 主人公・柊一颯を演じる菅田将暉の鬼気迫る演技が話題を生んだドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』 (日本テレビ系)。生徒役には永野芽郁、上白石萌歌、森七菜、福田遥、片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)などが名を連ねた。

 卒業まで10日となった3年A組を舞台に、高校教師の柊(菅田将暉)が生徒を人質にとり、校舎を封鎖。10日間にわたる「最後の授業」を行う。その授業のテーマは、数ヶ月前に自殺した生徒・景山澪奈の死の真相だ。彼女はSNSで誹謗中傷を受けており、クラスには澪奈に関する秘密を持つ者がいた。柊は生徒たちと向き合う過程で次第に本当の目的を明らかにしていく…。

 最終話では菅田将暉演じる柊が、SNSの負の側面についてズバッと斬り込むシーンが話題となった。澪奈の自殺がSNSによる誹謗中傷と明かした柊は、カメラを通じて、SNSが生み出す無自覚な暴力の恐ろしさを視聴者にダイレクトに伝えるのだ。 

「お前らネットの何千何万という悪にまみれたナイフ(言葉)で何度も何度も刺されて景山澪奈の心が刺されたんだよ!」

「だから覚えてほしい! そこにいる君も、これを見ているあなたも! 一人ひとりの胸に深く刻んでほしいんだ!」

 SNSを見ると、本作の最終回について「めっちゃ心に刺さった」「自分に言われているみたいだった」と生々しい反応が記録されている。加えて、涙を流しながらメッセージ性の強い長セリフをものにしてみせた菅田の鬼気迫る演技を「伝説」と評する声も多い。
 
 最終回では視聴率15.4%をたたき出した。批判する声が次第に擁護する意見へと変わり、やがて新たな標的が叩かれる。真実を知らぬまま誰かを責め続けるSNSの危険性について改めて考えさせられる。本作の存在意義は今後も増し続けるだろう。

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