“絶対に検索してはいけない”洋画は? 世界のヤバい映画5選。精神的ダメージが半端ない…トラウマ必至のカルト作をセレクト

text by 編集部

ネット上には、「検索してはいけない言葉」というミームがある。これは、文字通り検索サイトで検索をかけた時にユーザーに精神的ダメージを与えうる検索ワードのことで、内容は映画や漫画、事件など多岐にわたる。そこで今回は、「検索してはいけない言葉」から印象的な海外映画5本をセレクト。怖さの魅力について紹介する。(文:編集部)

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イタリアの名匠が手掛けた映画史上の超問題作

『ソドムの市』(1975)

ピエル・パオロ・パゾリーニ
監督を務めたピエル・パオロ・パゾリーニ【Getty Images】

監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
キャスト:パオロ・ボナチェッリ

【作品内容】

 第二次世界大戦後のイタリアでは、国内に残ったファシストの残党が北部のサロで亡命政権(イタリア社会共和国)を形成していた。

 ある日、大統領・最高判事・大司教・公爵の4 人が自身の性的快楽のために新たに「美少年・美少女狩り」を行う条例を制定。厳選された男女9人が秘密の館に連れ去られる。

【注目ポイント】

 サディズムの由来にもなったフランスの鬼才マルキ・ド・サドがバスティーユ牢獄の独房で書き記した『ソドム百二十日あるいは放蕩学校』。莫大な財産をもつ4人の男が、美少女や美少年を相手に120日に渡って姦淫の限りをつくすというこの物語は、センセーショナルな内容も相まって世界各国で多くの波紋を呼んだ。

 そんな本作を映画化しようという企画が持ち上がったのは、1970年代中盤のこと。当初はヴィットリオ・デ・システィ監督によるB級ポルノ映画として企画されたものの、内容のあまりの過激さからデ・システィが拒否。その後、紆余曲折を経て『奇跡の丘』(1964)などで知られる名匠ピエル・パオロ・パゾリーニがメガホンを取ることになった。

 映画化に当たりパゾリーニはダンテの『神曲』を参考に、物語を「地獄の門」「変態地獄」「糞尿地獄」「血の地獄」の4章からなる構成に変更。さらに、舞台を18世紀のスイス山奥の城館から第二次世界大戦の影響が残る20世紀イタリアに変え、物語のモチーフを国内の政治や消費社会への批判的なメタファーに読み替えた。

 ただ、政治的なモチーフを扱ったからといって、原作の過激さが薄まったわけではない。スカトロ、獣姦などの性虐待はおろか、目玉抉りや舌切り、焼印といった痛々しい拷問も描かれており、気を強く持たなければ完走は難しいだろう。

 なお、パゾリーニは、本作の撮影直後にローマ郊外の海岸で轢死体となって発見。本作はさまざまな意味でいわくつきの作品となった。

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