世間を騒然とさせた『バベル』ショック

『バベル』(2006)

『バベル』
『バベル』【Getty Images】

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
キャスト:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子

【作品内容】

 北アフリカのモロッコ。旅行中のアメリカ人夫婦リチャードとスーザンは、観光バスで移動中に突然銃弾を食らい負傷してしまう。

 一体だれが狙撃したのか…。事件が徐々に解明されていく中で、ライフルが日本人猟師の持ち物であることが判明する。

【注目ポイント】

 「検索してはいけない言葉」に列挙されている映画には、なにも目を覆いたくなるようなグロ映画ばかりではない。中には、一見すると「なんでこの作品が?」と訝しがってしまうような作品もラインナップされている。その代表格がこの『バベル』だろう。

 監督は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)や『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015)などで知られるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。キャストには、ブラッド・ピットやケイト・ブランシェットをはじめ、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子ら、錚々たる俳優陣が名を連ねる。

 カンヌ国際映画祭での監督賞をはじめ、数々の賞に輝いた本作。特に当時新進女優だった菊地が体当たりの演技に挑戦しアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされたのは記憶に新しい。
 
 とはいえ本作、菊地演じる聾唖の高校生・智恵子のヌードシーンをのぞけば、とりたてて過激なシーンは見当たらない。にも関わらず、なんと危険度は「ほぼ必ずトラウマにさせる」の「5」に認定されている。一体なぜなのだろうか。

 この謎の答えは、菊地が登場するクラブのシーンにある。このシーンは、聾唖である彼女の孤独感が描かれた重要なシーンだが、約1分間クラブの照明が激しく点滅するシーンがあり、一部の観客が光過敏性発作(いわゆる「ポケモンショック」)で体調不良を訴えたのだ。

 なお、映画を観て体調不良になるという例は実は少なからずある。現に筆者も以前、とあるホラー映画を観た際、手ブレのひどい映像で吐き気を催してしまった。直接フィジカルにダメージを与えるという意味では、こういった作品が最も危険といえるかもしれない。

(文・編集部)

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【了】

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