低予算をカバーした卓越した映画技術

『ターミネーター』(1984)

映画『ターミネーター』
映画『ターミネーター』【Getty Images】

監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、マイケル・ビーン、リンダ・ハミルトン

【作品内容】

人類と機械が熾烈な争いを繰り広げる未来。機械軍は、人類のリーダー、ジョン・コナーを歴史から抹殺するため、彼の母親サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)が暮らす1984年にターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)を送り込む。

一方、未来のジョン・コナーは、母親を魔の手から守るため、戦士カイル・リース(マイケル・ビーン)を派遣。機械同士の熾烈な争いが幕を開ける。

【注目ポイント】

『タイタニック』(1997)や『アバター』で知られるジェームズ・キャメロンが監督を務めたSFアクション。ターミネーター役をアーノルド・シュワルツェネッガーが、カイル・リース役をマイケル・ビーンが演じる。

本作の最大の魅力は、キャメロン一流の特殊効果だろう。低予算映画の帝王ロジャー・コーマンの下で特殊効果の腕を磨いたキャメロンは、近未来の機械と人類の絶望的な闘いを公開当時のアメリカにタイムスリップさせるという「奇策」で低予算を見事にカバーした。

そして、公開当時は無名に近かったシュワルツェネッガーについても触れなければならない。ボディビルダーとして大成功を収めていたシュワルツェネッガーの肉体は、無敵のターミネーターに圧倒的な説得力を与えている。

なお、キャメロンは、『エイリアン2』(1986)、『アビス』(1989)、そして第3弾の公開が控える『アバター』シリーズと数々のSF大作を制作。本作も、1991年に制作された『ターミネーター2』を皮切りにシリーズ化され続けている。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!