正直分かりにくい…?
混乱必至の「脳内パラレルワールド」
『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019)
【作品内容】
脳研究会社・バイテック社に勤める敦賀崇史(玉森裕太)はある日、親友の三輪智彦(染谷将太)から恋人を紹介される。その相手とは、崇史が学生時代に思い続けていた津野麻由子(吉岡里帆)だったのだ。
嫉妬に苦しむ崇史。しかしある朝、崇史が目覚めるとなぜかそこには麻由子がいて、崇史の朝食を作っていた。
【注目ポイント】
東野圭吾の同名小説の実写化。監督を『宇宙兄弟』(2012)の森義隆が務める。
タイトルからもわかるように、本作のテーマは「パラレルワールド」だ。崇史が付き合う麻由子と、友人の智彦が付き合う麻由子。本作には、2人の麻由子が存在している。
なぜ崇史の世界には2人の麻由子が存在しているのかー。この問いを解く鍵は、智彦が自分の研究で作り出した「記憶の改変装置」にある(以下ネタバレになるのでご注意いただきたい)。
この装置は人間の記憶を一部改変できるという代物で、麻由子との思い出を消し去りたかった智彦は、自らの記憶を消しさり、友人の崇史が麻由子と付き合っているかのように記憶を書き換えたのだ。つまり、”2人の麻由子”が存在するのは、崇史の記憶を書き換えた「脳内のパラレルワールド」だったのだ。
とはいえ本作、その難解さゆえ、評価はあまり芳しくない。現にレビューには「正直分かりにくかった」「混乱させる展開」といった言葉が並んでいる。
パラレルワールドを題材に映画を作るのは、予想以上に難しいようだ。