幽玄の雰囲気が魅力の鎌倉バトルアクション

『DESTINY 鎌倉ものがたり』(2017)

高畑充希【Getty Images】
高畑充希【Getty Images】

【作品内容】

 鎌倉在住のミステリー作家・一色正和(堺雅人)のもとに嫁いできた亜紀子(高畑充希)は、日々の生活に驚いていた。

 なにせ町には幽霊や神様、仏様のみならず、河童やアナグマといった化け物たちが跋扈しているのだ。

 そんなある日、亜紀子は思わぬ形で黄泉の国へ旅立ってしまう。果たして亜紀子の死は、人ならざるものの仕業なのかー。正和は、自分の想像力を駆使し、亜紀子を救う決意をする。

【注目ポイント】

 2005年に公開され、大ヒットを記録した映画『ALWAYS 三丁目の夕日』。その原作者と監督が約10年ぶりにタッグを組んだ作品が、この『鎌倉ものがたり』だ。

 本作は、西岸良平のベストセラーコミック『鎌倉ものがたり」を実写化したファンタジー作品。『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴がメガホンを取る。

『ALWAYS 三丁目の夕日』では卓越したCG技術で昭和30年代の東京を表現してみせた山崎。本作では、人間と魔物が共存する古都・鎌倉の街並みを見事に表現している。加えて、江ノ電の旧車両が黄泉の国への電車になっているなど、鎌倉ならではのご当地ネタを活用したアイディアが光る作品になっている。

 また、個性豊かな登場人物たちも本作の魅力だろう。注目は、正和に捜査協力を依頼する鎌倉警察・心霊科の刑事たちだ。

 カッパの頭をした川原刑事(大倉孝二)に、イタコを使って事件を解決する恐山刑事(神戸浩)、狐の血を引いている稲荷刑事(要潤)ー。現実とファンタジーの間で生きる彼らの存在感は絶妙にユルく、正和とのコミカルなやり取りにもついつい顔が綻んでしまう請け合いだろう。

 ただ、そんな本作も、後半になると一気に魔物とのバトルシーンへと雪崩れ込んでいく。果たして正和は愛する妻を取り戻すことができたのか。その答えは是非ともご自身の目で確かめてもらいたい。

(文・シモ)

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【了】

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