なぜ転落…映画史に残る消えた天才は? 激動人生の子役5選。まさかの闇堕ち…将来を嘱望された才能をセレクト

text by 阿部早苗

『ホーム・アローン』、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』、『ターミネーター2』に『グーニーズ』…。時代を彩った名作映画の共通点はおわかりだろうか。そう、いずれの作品も子役が印象的な演技を披露しているのだ。しかし、彼らのその後の人生は決して順風満帆ではなかった…。そんな彼らの数奇な人生を紹介する。(文・阿部早苗)

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【著者プロフィール:阿部早苗】

神奈川県横浜市出身、仙台在住。自身の幼少期を綴ったエッセイをきっかけにライターデビュー。東日本大震災時の企業活動記事、プレママ向けフリーペーパー、福祉関連記事、GYAO トレンドニュース、洋画専門サイト、地元グルメライターの経験を経て現在はWEB媒体のニュースライターを担当。好きな映画ジャンルは、洋画邦画問わず、社会派、サスペンス、実話映画が中心。

90年代を代表する子役が歩んだ転落人生

マコーレー・カルキン

マコーレー・カルキン
マコーレー・カルキン【写真:Getty Images】

生年月日:1980年8月26日
代表作:映画『ホーム・アローン』(1990)、『危険な遊び』(1993)

 1990年に公開された映画『ホーム・アローン』のケビン・マカリスター役で一躍有名となったマコーレー・カルキン。続編『ホーム・アローン2』(1992)も大ヒットし、その後、『マイ・ガール』(1991)、『危険な遊び』にも出演。90年代を代表する子役と言っても過言ではないだろう。

 立て続けにヒット作に出演し、多額のギャラを手に入れたマコーレーだが、天下は長く続かなかった。95年に両親が離婚。『ホーム・アローン』以降の5年間でマコーレーが稼いだ巨万の富をめぐって泥沼の裁判沙汰に発展し、マコーレーは騒動を受けて俳優業を休止することに。

 自身が稼いだお金をめぐる両親の骨肉の争いがマコーレーに与えた精神的なストレスは想像を絶するものがある。メディアへの露出が減ったマコーレーは、酒浸りの生活を送るようになり、10代半ばにしてアルコール依存症に。

 97年に両親の裁判が終わり、銀幕への復帰が期待されるも、2004年には違法薬物所持でお縄に。2008年には最愛の姉、ダコタ・カルキンを交通事故で失うなど、度重なる苦難に襲われたマコーレーは、重度のヘロイン中毒で余命半年と報じられたのはおろか、一時期は死亡説も囁かれた。

 しかし、波乱万丈な人生を送ってきた彼も2022年に女優のブレンダ・ソングと結婚。2児に恵まれ、現在は父親として幸せそうな姿が度々報じられている。

 今でも冬になると必ず『ホーム・アローン』はテレビで放映される。しかしながら、天真爛漫な彼の演技を見るたびに、彼のその後の人生が脳裏をよぎり、複雑な気持ちになる。今に至るまでのマコーレーの人生はアメリカンドリームの負の側面を象徴していると言っても過言ではないだろう。

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